2024年04月15日
土田滋博士の台湾原住民語資料データベース構築
2019年01月29日
このプロジェクトでは風間伸次郎氏(東京外国語大学教授)が採録したチュルク諸語の基礎語彙を音声付きでデータベース化しています。
チュルク諸語は西はアジアの西端にあたるトルコから、中央アジアを経て東はシベリアまで、アジアの東西にまたがる広大な地域で話される言語グループです。モンゴル語をはじめとするモンゴル諸語、エウェン語や満洲語をはじめとするツングース諸語とともにアルタイ諸言語としてとらえられることもあります。風間伸次郎氏はアルタイ諸言語の分岐と形成の過程を探るべく、長年にわたりアルタイ諸言語の調査研究をされており、本データベースは、氏が現地調査により採録したチュルク諸語の基礎語彙を、氏の録音した音声と共に提示しています。本データベースに登録されているデータの採録にあたっては科学研究費補助金「アルタイ諸言語の語彙の総合的集成(15H05153)」などの支援を受けており、本データベースはその成果でもあります。
基礎語彙の調査は『アジア・アフリカ言語調査票 下』(1979年, アジア・アフリカ言語文化研究所)を基に行われており、本データベースに登録されているのは、同調査票でA項目とされている200項目です。データベースには、チュルク諸語のこれまでの研究の蓄積を踏まえ、一部の言語については文献で提示されている形式も提示しています。
利用にあたってはメニューバーから操作を行うことにより、表示する言語の切り替えを行ったり、検索による絞り込みを行うことが可能で、これにより言語間の対応関係を調べることが可能です。
本プロジェクトは2014年度に始まり、現在(2019年1月)も進行中です。2014年度のトゥヴァ語を皮切りに、毎年言語を追加し、現時点で10言語、26変種のデータを収録していますが、今後もデータは追加されていく予定です。今後も継続的にデータを追加していくことで、チュルク諸語の多様な姿をより鮮明に描き出すことを目標としています。
(文責:児倉德和)
参考情報:
チュルク諸語対照基礎語彙