2024年04月15日
土田滋博士の台湾原住民語資料データベース構築
2017年10月10日
アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)が2013年に刊行したKannada-English Etymological Dictionaryを編纂した功績により、著者の内田紀彦博士とラージャプローヒト博士がフランス学士院(碑文・文学)の2017年度平山郁夫賞(Prix Ikuo Hirayama)を受賞しました。この賞はフランス語で言う「極東」(アフガニスタン、インド以東のアジア)に関する優れた研究業績を顕彰するものです。両博士に心よりお祝い申し上げます。フランス学士院の公式発表はこちらからご覧いただけます。授賞式は11月にパリで行われます。
内田紀彦博士(元園田学園女子大学教授)は長年にわたりAA研の共同研究員を務められ、ラージャプローヒト博士(元インド諸語中央研究所教授)もAA研の客員教授として2度滞日する一方、母国インドでもAA研との共同研究を続けてこられました。
AA研では、1980年代から1990年代前半に故奈良毅教授が主導した電算機利用によるインド諸言語の国際共同研究を継承・発展させる形で、1990年代後半から高島淳教授(この辞書の編集者でもあります)と内田・ラージャプローヒト両博士を中心にカンナダ語・英語・日本語の3言語電子辞書の構築が進められてきました。
長期にわたるこのプロジェクトは、AA研情報資源利用研究センター(IRC)の支援や文部科学省のCOE拠点形成・特別推進研究(COE)に基づく文字情報学の構築」(GICAS)プロジェクト等の協力を得て結実し、その成果はカンナダ語英語日本語電子辞書として公開されていますが、書籍の形での刊行を望む声も多かったために、カンナダ語・英語部分のみを2013年度に出版したのが今回受賞したKannada-English Etymological Dictionaryです。この辞書は広く学界から、現時点で最良の辞書として歓迎されました。
また、日本語部分については2016年に三省堂より『カンナダ語・日本語辞典』として刊行され、本邦初の本格的なドラヴィダ語の辞書として高く評価されています。
高島淳編、内田紀彦・B.B.ラージャプローヒト著『カンナダ語・日本語辞典』(2016年 三省堂)リンク先では辞書の見本ページが公開されていますのでぜひご覧ください。